超純水
高濃度水素酸素(HHO)吸入器 my motherで利用している水(機械の中で電気分解するために利用する水)はただの水ではなく、超純水を利用しています。通常の水と、超純水の違いとはなんでしょうか?このページでは、超純水がどのようなものなのかを説明します。
そもそもお水とは?・お水のランク
水は化学式でH2Oと表し、水素(H2)と酸素(O2)から作られています。これを化学式にすると、
2H2+ O2 → 2H2O
となります。しかし、私たちが普段飲んでいる水は、酸素と水素だけでなくさまざまな不純物(汚れ)も一緒に溶け込んでいます(カリウム、ミネラルなど)。
水自体には味がないので、私たちはミネラルなどのなどの不純物によって水を美味しい・不味いと感じています。また、水には不純物の量によって、大きく分けて一般水(水道水・井水など)→純水(精製水)→超純水というランクがあります。
水中の不純物の種類
水中の中の「汚れ」は大きく4つのカテゴリーに分けられます。
有機物
炭素を含む複雑な化合物。生物由来のものも多い。
例)皮脂、毛髪、洗剤、農薬など。
無機物
有機物でないもの。水中でイオン化しているもの。
例)塩素、ミネラル、カリウム、重金属など。
微粒子
コロイド、配管のサビなど。
微生物
細菌類、藻類、ウィルスなど。
不純物の数値化
一般水・純水・超純水は目に見えない不純物の量によってランク付けされていますが、目に見えない不純物の量をどのように数値化しているのでしょうか?具体的な指標としては2つあります。
比抵抗値
水中のイオン量(無機物量)を表します。イオン量と電気の流れにくさは反比例の関係で、中学校で習った抵抗の考え方と同じく、イオン量が多いほど、比抵抗値は小さくなります。故に、不純物である無機物量が少なくなると、比抵抗値は大きくなります。単位はMΩ・cm(メグオームセンチメートル)です。
TOC(Total Organic Carbon)
水中の炭素量(有機物量)の合計を表します。有機量は殺菌に用いる紫外線(254nm)よりも波長の短い紫外線(185nm)により分解されます。分解時に生じた二酸化炭素が水に溶け込むことで、照射前後で比抵抗値に差ができ、この差からTOCを算出します。TOC値が小さいほど、溶けている有機物量が少ないことを表します。超純水でよく用いられている単位は主にppbです。
水のランク付
牛肉が歩留まり等級と肉質等級からA5などとランク付けされているのと同様に、水も上記の2つの指標からランク付されています。以前までは、比抵抗値のみで水のランク付を行っていましたが、無機物量しか評価できていませんでした。現在は、比抵抗値とTOC値の両方の観点からランク付がされています。メーカーによっても違いはありますが、一般的に比抵抗値が18.2MΩ・cm、TOCが50ppb以下の水を超純水、一般水(水道水)から不純物の除去を行ったものの比抵抗値が0.2MΩ・cm以上で超純水未満の水を「純水」(精製水)としています。もちろん、水のランク付には国や使用目的に応じてさまざまな種類があります。よく耳にする日本産業企画JISK0557(用水・排水の試験に用いる水)では水質によりA1からA4までの規格があります。ほかにもISOやASTMなどの企画もあります。
超純水の作り方
不純物の除去方法は以下の表のように様々な方法があります。各方法には、除去できる不純物に違いがあり、目的に応じてこれらの方法を組み合わせることで、純水・超純水装置は構成されています。今回は、各方法の役割について説明します。
要素技術 | 有機物 | 無機物 | 微粒子 | 微生物 |
前処理カートリッジ(活性炭) | ○ | 塩素 | ||
逆浸透膜(RO膜) | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
UVランプ(UV,185/254 nm) | ◎ | ◎ | ||
イオン交換カートリッジ(DI) | ◎ | |||
電気式連続イオン交換(EDI) | ◎ | ○ | ||
エアーベントフィルター | ○ | ○ | ||
メンブランフィルター(MF) | ◎ | ◎ | ||
眼外ろ過膜(UF) | ◎ | ◎ |
my mother で利用している水の作り方
1.活性炭ファイルター
水道水に含まれる残留塩素(カルキ)や色素、濁りを完全に除去。
2.逆浸透膜(RO膜)
水道水に含まれる隣有無やカルシウムなどのイオン成分をほぼ完全に除去。
3.イオン交換樹脂
逆浸透膜処理水(RO水)に残ったわずかなイオン成分を完全に除去。
4.紫外線殺菌装置
イオン交換水の中に残った微量な菌類を完全に殺菌。
上記の工程を経て生産された超純水は、
●水垢の原因となるカルシウムやマグネシウム
●肌に負担を与える可能性がある塩素系殺菌剤(カルキ)
●化粧水や薬品・塗料などの希釈の際に他原料と反応して安定性を損ない、長期保存が不向きになるイオン成分
●スチーム機器の目詰まりを起こす不純物など
これらを限りなくゼロに近い値まで処理しています。